「北九州国際交流協会 こぼれ話」

 協会の倉庫には、鮮やかな色合いの「浴衣」「帯」「下駄」など、和の衣装が揃いながら、今は静かに眠っています。

 これらは、コロナ以前に行われていた国際交流事業のひとつ「世界の民族衣装体験」で使用していたものです。

 以前は、市のイベントや日本語学校の催しにおじゃまし、希望者に浴衣を含む世界の民族衣装を着せてさし上げますという事業をやっていました。そうしたら来るわ来るわ。留学生のグループや外国人ファミリー、はては日本の高校生まで大勢の方が「着せてくださーい」とやってこられ、で、一番人気のお衣装はなんといっても「浴衣」でした。

 1回の催しで100人以上の着付け希望者がおいでになられたこともあり、筆者は一日中「浴衣を羽織らせる」→「腰ひも結ぶ」→「帯結ぶ」→「かわいい!と誉める」→「スマホで写真撮る」→「脱がせる」→「次の人に着付ける」…を繰り返しました。

 初めは帯も丁寧に結ぶのですが、次の希望者が並びだすと次第に手抜き?あっさりした帯結びになって、もう着崩れしなければ良し!となってしまいます(すみません)。

 帯を結ぶのも力が必要で、100人の方に着付が終わった時は右手の親指がしびれて動きませんでした。

 でも、浴衣を着た皆さんがとっても嬉しそうで、写真を撮りあってはしゃいでおられたのは、筆者にも楽しい思い出となりました。

 3年以上こういったイベントは実施できない状況が続いています。コロナが終息し、世界が元気になったら、また外国人と日本人が交流し、喜んでもらえる楽しい事業が復活できるといいなあと思っています。倉庫の中の「衣装」たちもその日を待っているのかなあ…。